大学受験は独学ではきつい?独学向きな人の特徴と合格を引き寄せるポイント

大学受験の合格を目指す塾や予備校はたくさんある中で、独学で大学受験に合格する人もいます。
そんな話を聞くと、「すごい!」と感心しつつも、一方では「独学での大学受験合格なんて甘いのでは?」と思う人もいるでしょう。
その考えは、決して間違ってはいません。実際に独学で大学受験に合格する人はいますが、それを成し遂げるには、相当の覚悟と強い精神力や判断力が必要になります。
この記事では、独学で大学受験に合格した人の体験談や、独学が向いている人・向いていない人についてもわかりやすく解説します。
- 独学で志望校に合格できる人はごくわずか
- 独学に向いているのは受験における「自立」に必要な能力を兼ね備えた人
- 独学で大学受験に合格できた人の中には志望校選びで妥協した人もいる
- より効率的に独学を進めるには定期的な振り返りと計画修正が重要
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独学で大学受験はきつい?

大学受験の独学は決して不可能ではありませんが、多くの受験生にとって厳しい道のりとなります。
言い換えると、塾や予備校に通わずに、参考書や問題集のみで合格できる人はごくまれです。再現性は低く、誰にでもできることではありません。
その最大の理由は「独学はすべてにおいて自由である」からです。自分で教材を選び、勉強のスケジュールを立て、自分で進めなければなりません。
自由であるがゆえ直面する以下のような問題は、絶対に無視できません。
1. 学習計画を立てるのが難しい
受験勉強は勉強する範囲が広く、限られた時間の中で効率よく進める必要があります。
しかし、独学では「どこから始めればいいのか」「どのくらいのペースで進めるべきか」が分からず、はじめの計画作りでつまづくことがあります。
また、勉強を進める中で計画の見直しが必要になった際に、適切な判断・修正ができるかどうかも重要です。
塾や予備校に通っていれば、講師がそれまでに培ってきた豊富な経験やデータをもとに、合格しやすい学習計画を提案してくれますが、独学ではそれをすべて自分で考えなければなりません。
2. モチベーションの維持が難しい
受験勉強は長期戦です。モチベーションを維持し続けることができなければ、途中で挫折してしまいます。
塾や予備校に通っていると、ライバルの存在や講師の指導によって自然と学習意欲が高まりますが、独学では自分次第です。
「今日は気分が乗らないから」「少し休んでから勉強しよう」といった甘えが生じやすく、気づけば時間だけが過ぎてしまうことも少なくありません。
3. 競争意識を持ちにくい
当たり前のことですが、大学受験は相対評価の世界です。志望校へ合格するには、ライバルよりも高い学力を身につけなければなりません。
しかし、独学の場合は同じ志望校を目指すライバルたちの状況が分からないため、自分の位置を正確に把握しにくいという問題があります。
塾や予備校では定期的に模試を実施しているため、自分の学力を客観的に確認できます。
これにより、ライバルとの差や目標までの距離が正確に測れ、意欲的に勉強を進められるでしょう。
4. 分からない問題をすぐに解決できない
独学では、分からない問題に直面した時も、自分で解決するしかありません。
もちろん、参考書やインターネットで調べることはできますが、すぐに解決できるとは限らず、場合によっては何時間もロスしてしまうことがあるでしょう。
塾や予備校に通っていれば講師に質問できるため解決が早く、効率的に学習を進めることができます。
5. 適切なフィードバックが得られない
勉強を進める上で重要なのは「自分の弱点を正しく把握し、改善していくこと」です。
しかし、独学では「何ができていて、何ができていないのか」を客観的に判断するのが難しくなります。
例えば、過去問を解いた際に、解答を見れば答えが分かるようになっていたとしても、本当にその問題を理解できているのかどうかを判断するのは容易ではありません。
塾や予備校に通っていれば、講師からも的確なフィードバックを受けられるので、効率よく学力を伸ばすことができます。
1〜5の理由から、ほとんどの受験生は大学受験において最効率を出せるプロに任せたほうがよいと言えます。
ただし、塾や予備校に通ったからといって、必ず志望校に合格できるわけではありません。
塾や予備校に通っていても、自らの意思で勉強に取り組む「自立した姿勢」は必要です。
【独自調査】独学で大学受験に成功した人はどれくらいいる?
では、実際に独学で大学受験をして、見事合格を勝ち取った人はどれくらいいるのでしょうか?
編集部が独自に調査を行いました。
独学で大学受験に挑戦した人の9割以上が合格
大学受験の経験のある男女946人に行ったアンケート調査を行ったところ、独学で受験対策したのは約38%に当たる360人でした。

独学で対策した人は、通学型の塾・予備校を利用した人(407人/43%)に次いで多かったことになります。
さらに、独学で受験対策した人の約9割(93%)が現役で合格できたと答えました。

独学での大学受験対策は難しい中、なぜこんなに多くの人が合格できているのかについて、さらに詳しく調査すると、あらかじめ志望校を妥協していた人もいることがわかりました。
難関校にこだわらない人が目立った
独学で大学受験に合格した人に合格できた理由を聞いたところ、「独学で大学受験に合格するため」に自身が合格可能な志望校を選んだ人がいたこともわかりました。


個人によって抱える事情はさまざまですが、これらの問題も含めて、どんな人が独学での大学受験に向いているのでしょうか?
独学が向いている人・向いていない人の特徴

独学には向き・不向きもあります。
独学が向いている人、向いていない人の特徴を紹介します。
独学が向いている人
独学が適していると考えられる人には、以下のような条件が当てはまります。
- 自己管理が得意な人
- 調べ物・情報収集が好きな人
- 受験勉強に集中できる環境がある人
- メンタルが強い人
自己管理が得意な人
大学受験では、受験範囲の勉強を計画的に進められるかどうかが重要です。
受験日までの日数を逆算して、必要な教科を求められるレベルまで習得できるかが、合格へのカギを握ります。
そのため、普段から勉強をする習慣があり、なおかつ無理のない学習計画を立てて、計画どおりに進められる人、つまり自己管理が得意な人が向いているといえます。
現役合格した人のコメントからは、自分で合格までの道筋をきちんと作り込み、それに向かって着実に進められたことがうかがえます。


具体的には、夜に暗記をすると記憶が定着しやすいといわれているため、午後は英語や社会など暗記が多い科目に取り組み、朝には数学を勉強するようにしていた
たまに、範囲内の勉強をスピーディーに終わらせようと、スケジュールをギチギチに詰めこむ人もいますが、その場合は計画通りに進まないことがほとんどです。
スピードも大切ですが、それ以上に「無理のない計画を立て」て「着実に進めること」の方が大切です。
- 過去に何かしら自分で計画し、達成できたことはあるか
調べ物・情報収集が好きな人
受験勉強中は、教科書や参考書に書かれていることだけでは理解できない問題が必ず出てきます。
そんな時、すぐに誰かに質問できる環境がなくても、自分で情報収集をして、疑問を解決できる人は独学に向いているでしょう。
アンケート回答者の中には、以下のように具体的な方法を挙げている人もいました。

また、インターネットで調べたり人に聞いたりして必要な情報を見つけ出す力は、大学受験では特に重要です。
なぜなら、志望校の情報や入試の傾向など、勉強以外にも自分で調べなければならないことが多いからです。
「わからないことがあると自分で解決策を探す」という姿勢を持っている人は、計画次第ではありますが、独学でも十分に力を伸ばしていけるでしょう。
- 普段から参考書などを自分で探して選べているか
- 評判などを調べてより自分に合ったものを見極められるか
受験勉強に集中できる環境がある人
周囲の雑音や誘惑に左右されず、長時間集中して学習できる場所を確保できなければ、大学受験を戦い抜くことは困難です。
今回の調査では、自習室を求めて塾に通っていたという人が少なくないこともわかりました。
自室のほかに、図書館などの公共施設を複数見つけておけば、独学でも十分に実力を伸ばせる環境が整います。
- 静かで気が散るものが少ない勉強場所はあるか
- 自分で決めた時間どおりに勉強できているか
メンタルが強い人
受験勉強では、まわりに仲間がいなくても自分のモチベーションを保ち続けられる精神力が重要です。
やりたい、やりたくないではなく「やるべきこと」と捉え、着実に実行していく力が欠かせません。
例えば、分からない問題が出てきても諦めずに取り組める忍耐力があり、模試の結果が思わしくなくてもすぐに気持ちを切り替えられる人は、独学にも十分対応できるでしょう。
アンケート回答からも、強い精神力の必要性が伝わります。

さらに、適度に息抜きをしてストレスを解消したり、できない自分に過度に落ち込まずに前向きに勉強を続けられる力がある人も独学向きと言えます。
- 分からない問題があっても解けるまで頑張ろうと思えるか
- 模試の結果が悪かった時に自分で気持ちを切り替えられるか
独学が向いていない人
受験における「自立」に必要な能力が不足している人は、独学には向いていません。
自立とは、自分の頭で考え、主体的に受験勉強を進められることです。
具体的に、以下に当てはまる人は独学には向いていないと言えるでしょう。
- 自分で学習計画を立て実行する自信がない人
- 大量の情報の中から自分に必要なものを見極めるのが難しい人
- 自分の学力や弱点を客観的に把握し、自分で学習方法を改善することが難しい人
- 学習の進捗を自分で管理し、必要に応じて計画を修正していくことが苦手な人
- 困難に直面した時に、自分で解決策を見つけたり、モチベーションを維持したりすることが難しい人
- 受け身的な学習姿勢の人
- 他人に指示されないと勉強に取り組めない人
- 安易な逆転合格に期待してしまう人
独学で大学受験を成功させるコツ

独学で大学受験を成功させるためには、限られた時間の中で効率的に学習を進めることが重要です。
具体的には以下のポイントが挙げられます。
目標を明確にして学習計画を立てる
独学で大学受験に合格するには、明確な目標設定と、それに伴う学習計画が欠かせません。
目標によって勉強内容の方向性が定まり、学習計画を持つことでムダな時間を減らせます。
そのためには、できるだけ早い段階で「どの大学の何学部を目指すのか」「どの科目で受験するのか」「各科目で何点取る必要があるのか」といった具体的な目標を設定しましょう。
また、体調不良など不測の事態に備えて、修正の余地を残したスケジュールを組むことをおすすめします。
基本的な計画の立て方は、受験日から逆算して月単位の大きな計画を立て、それを週単位、日単位に落とし込んでいく方法です。
例えば「8月までに一通りの基本事項を押さえた後、第一志望の過去問を分析して自分に足りない部分を見極め、それに応じて基礎の見直しと過去問演習のバランスをとりながら進める」というように優先度が高いものから取り組むことで、着実に実力を伸ばしていくことができます。

また、受験までに達成すべきことを具体的にリストアップし、例えば「英単語を○○個覚える」といった目標を設定した上で、そこから逆算して勉強のスケジュールを立て、計画的に進められたことも大きかった
自分に合った教材を選ぶ
独学での大学受験では、教材選びも自分自身で行う必要があり、これも結果を大きく左右します。
具体的には、自分のレベルに合っていない教材や、志望校の入試で必要とされる内容をカバーしていない参考書を選んでしまうと、貴重な学習時間が無駄になってしまうのです。
そんな失敗をしないためにも、教材選びでは、まず自分の現在の学力レベルを正確に把握することが大切です。
難しすぎる教材では挫折感が生まれ、やる気を失う可能性がありますし、反対に簡単すぎる教材では実力向上の効果をほとんど得られないでしょう。
さらに、志望校の出題傾向や入試レベルを踏まえて、本当に必要な教材を厳選することも欠かせません。


インターネットでの評判も参考にしつつ、書店で実際に中身を確認して、自分に合った教材を選ぶようにしましょう。
振り返りと計画修正を繰り返す
独学での受験勉強では、定期的な振り返りと計画修正が合格への近道になります。
塾や予備校のように、誰かが進捗管理をしてくれるわけではないため、自分で学習状況を確認する習慣が重要です。
アンケートでも、振り返り学習に力を入れていたという回答が多く見られました。

また、振り返りのタイミングは意識的に設定することをおすすめします。
例えば、毎週末に1週間の学習を振り返り、演習問題や小テストで理解度をチェックする、といった具合です。模試の結果も、客観的な指標として活用しましょう。
そして、計画よりも遅れている部分や理解が不十分な分野があれば、翌週の学習計画に反映させ、追加の復習時間を設けるなどの具体的な修正を行います。
このPDCAサイクルを繰り返すことで、効率的に実力を伸ばすことができます。
モチベーションを保つ仕組みを作る
独学の受験勉強の最大のデメリットは、途中で挫折してしまうリスクの高さです。
そこで、学習を継続するための自分なりの仕組みを作っておくことが重要です。
例えば、同じ志望校を目指す友人と定期的に進捗を報告し合う「勉強仲間」を作るのも効果的です。
また、「1週間計画通りに進んだら好きなお菓子を買う」「模試で目標点を達成したら映画を観る」などのプチごほうびを設けることも継続の力になります。
さらに、週に一度は趣味の時間を確保するなど、リフレッシュする習慣を持つことも大切です。適度な息抜きがあることで、長期間にわたる受験勉強のストレスを軽減し、集中力を維持することができます。
自分に合ったモチベーション維持法を見つけておきましょう。
アンケート回答の中には、自分でうまくモチベーションを高めて合格した人もいます。


より効率的に受験勉強を進めるなら河野塾

「独学で合格したいけど、非効率な勉強で遠回りするのは嫌だ」
「何を優先すべきか分からず、やみくもに手を広げてしまいそう」
独学に対して不安が残る人や、独学以外の選択肢も選べる人は、塾や予備校を選択肢に入れてみましょう。
大学受験は時間が限られた戦いです。独学は自分のペースで自由に学習できるメリットがある一方、情報があふれる中で何が本当に必要かを見極め、計画を立て、それを実行し続ける強い自立心が必要となります。
実際、塾や予備校に通わずに難関大学に独学で合格する人はまれであり、「すごいこと」として注目される裏には多くの失敗があることを忘れてはいけません。
河野塾では、東京大学理科三類に現役合格し、司法試験・医師国家試験・公認会計士試験といった数々の難関試験に短期間で合格してきた河野玄斗の経験をもとに、最短で合格を勝ち取るメソッドをお伝えしています。
中でも「徹底基礎講座」は、学年の区別なく初学の基礎から難関大合格レベルまで網羅。
表面的なテクニックに偏らず、どんな問題にも対応できる本質的な理解を重視した映像授業を提供しています。
独自のメソッドにより、これまで独学で頑張ってきた人でも十分に活用できる設計です。
また、従来の塾や予備校に3年間通う場合と比較して約半額で済むというコストパフォーマンスの良さも特徴です。
さらに、少人数オンラインクラス授業「KONO式」では、難関大向けのハイペースなカリキュラムにより、より効率的に合格を目指せます。
河野玄斗が導き出した「合格への最適解」から、あなた自身の力で夢を掴みましょう。
大学受験に関する調査
調査対象:25歳以下の男女2,000名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年3月3日〜3月4日
大学受験の独学に関する調査
調査対象:大学受験に独学のみで臨んだ経験のある人20名
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年3月3日〜3月28日